たとえば民家でも、住んでいるところは低いところでも、大きく高い茅葺きの屋根があり、なぜそういった形態ができるのかと言えば、蒸発冷却などの涼しさの源がそこにあるからです。今は冷房を使 えばいいからと、フラットルーフに近いものをつくりますが、昔はそれだけのボリュームが必要なのです。「形態は環境に従う」ということを最近一生懸命言っているわけです。……
中国撫順市生まれ。早稲田大学第一理工学部建築学科卒業。同大学大学院工学研究科建設工学専攻博士課程修了(工学博士)。
早稲田大学理工学部助手、専任講師、助教授を経て、1973年-1999年早稲田大学理工学部教授。1999年-2003年 早稲田大学理工学総合研究センター教授。1999年-早稲田大学名誉教授。現在、国際人間環境研究所代表、NPO環境住宅名誉理事長。日本太陽エネルギー学会会長、日本建築学会理事、空気調和・衛生工学会会長等を歴任。
1960年マサチューセッツ工科大学にフルブライト留学生として渡米し、太陽エネルギー研究プロジェクトに参加。1972年所沢市に自邸「木村ソーラーハウス」を建て、その初期性能を1973年7月パリで開催の国際太陽エネルギー学会世界大会にて展示パネルで発表。
著書に『建築設備基礎理論演習』(学献社)、『ソーラーハウス入門』(オーム社)、『建築環境学〈1〉』『建築環境学〈2〉』(丸善)、『住居環境用語辞典』『民家の自然エネルギー技術』(共著、彰国社)『世界環境建築紀行』(国際人間環境研究所)『けんちくかんきょう随想』(国際人間環境研究所)など。
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